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「バブルの反省」が続くかぎり、金持ち願望の充足を背景とする資産価格の膨張も起こらず、好況もなかなか来ないのである。 このように、〈需要側〉から見れば、資産価格の膨張と収縮が実体経済に影響して、景気の変動を生み出すことになる。
バブルとそれ以降の日本経済以上に示した〈需要側〉の考え方に基づいて、バブル期とそれ以降の日本経済を振り返ってみよう。 まず、バブルが絶頂を迎えた80年代末期には、土地や株式はもちろん、通常ならば流動性の極めて低い資産である絵画やゴルフ会員権などまでもが、高い流動性を持ち始めた。
そのため、これらすべての資産が人の金持ち願望を充足し、背景として資産価格が膨張して、実体とはかけ離れていっても、日本中が金持ちになったと信じた。 当時、東京の土地を売れば、カリフォルニア州の何倍も買える、日本を売ればアメリカ全土が買えて、お釣りが来るといわれたくらいである。
3000万円の土地が1億円で売れる、100円の株券が千円だといわれたら、その所有者は自然に支出を増やす。 こうして、好景気が起こったのである。
ところが、資産価格のあまりの高騰に、その流動性に対して人の間に疑いが出て、些細なきっかけでも、資産価格の崩壊が起こりそうな状態になった。 このような時期に、政府は大的に株価や地価はバブル状態にあるというキャンペーンを展開し、土地取引や株取引への規制を急激に強めた。
そのため、資産の流動性が減少し、人は流動性の低下した土地や株式などから、流動性の高い預金やY便貯金などに資金を動かそうとして、株価や地価を急激に収縮させた。 きっかけにして、実際にバブルが崩壊したのである。

今度は千円だと信じていた株券が100円になったのだから、日本全体で資産が本当に収縮してしまった。 90年代初頭のバブル崩壊以来、7、8年の間に、国内の土地評価額の減少は67○兆円、株式の時価総額の減少はご20兆円であり(日興リサーチセンター調べ、98年4月18日付け「日本経済新聞」に記載)、消滅した資産価値の総額は、1000兆円ともこ100兆円ともいわれる。
日本全体では、土地や株券がこれまで通り存在していても、その評価が変わっただけで、これだけの資産を失ってしまった。 誰かの懐に入っているわけではなく、文字通り消えてしまったのである。

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